病気や、重い障がいがあったとしても、すべての子どもたちに地域で健やかに成長してほしいと思っています。
しかし、病院と家庭以外に子どもたちが安心して過ごせる場所が足りません。
自宅以外の場所で社会とつながり、家族以外の人たちとの体験を通して成長する機会が必要です。
そんな思いを現実にするために　『Lana kids 咲（しょう）』が誕生しました。

生活を送るうえで人工呼吸器・胃ろう・吸引など、日常的に医療ケアを必要とする「医療的ケア児」が全国に約2万人いるといわれています。
医療的ケアがあるために保育園、幼稚園に入ることができず、多くの母親は就労できません。
さらに、子どもたちの成長に大切なお友だちとの遊びの場も奪われます。

医療的ケア児の家族の約半数が、子どもが年齢相応の楽しみや、療育を受ける機会が十分にないと感じています。
また、6割の家族は、家族以外に子どもを預けることができません。子どもと一緒に外出することが難しいといいます。
きょうだい児の学校行事にも参加できなかったり、休日にもお出かけできず、外食にも行かれません。きょうだい児はいつも我慢を強いられてしまいます。

医療的ケア児を育てていく仕組みや社会資源、そして人材は不足しています。
そのために、母親を中心に家族がケアや介護を抱え込んでいるケースがほとんどです。
サービスを利用する手続きや、情報を入手することまでも、家族が担わなければなりません。
『Lana kids 咲』は、病院から退院した後の生活や年齢を重ねていく中でのライフスタイルの変化などに対して暮らしのサポートを一緒に考えます。

医療ケアがあるとスクールバスに乗れないケースもあります。訪問看護師が介護タクシーに同乗して通学支援も始まります。
保育園にも訪問看護師が訪問して、医療ケアを担う事業も始まります。
医療ケアがあってもなくても、「子どもたちが自分の生き方を選べること」が当たり前になるように、我々ができることを追求していきます。
この子たちが安心して暮らせる街は、すべての人にやさしく、住みやすい街になるはずです。